【中小企業の社債による資金調達】実践コラム Vol.9
◆ 中小企業の資金調達の現状
中小企業の資金調達手段は、まず日本政策金融公庫や保証協会の保証付き融資からスタートし、その後プロパー融資へと拡大していくのが標準的です。
いずれの調達先も金融機関ですので、原則的には財務状況に重きを置いた審査がなされます。
よって、財務状況が悪化すれば、たちまち調達手段が無くなるのが実情です。その場合、資金の支援を、代表者、従業員、取引先、知人や親族に依頼することになります。
◆ 社債とは…
従業員や取引先など、金融機関以外から資金を調達する場合、社債の発行が適しています。社債は借入と同じですが、会社が発行する債券を購入してもらう形をとります。
口頭で「お金を貸してください」と依頼するよりも、金利や期間などの発行条件、資金の使途、経営の状況等を明確に記した資料を作成して、「この度当社の第1回社債を募集させて頂くことになりましたので…」と依頼する方がスマートです。
依頼される方も、融資の条件が明確ですので検討しやすくなります。
◆ 銀行融資プランナー協会 正会員事務所での事例
社債と言っても、知人等を対象に発行する少人数私募債の発行手続きは難しくありません。
当該事務所でも、私募債の発行を顧問先様にアドバイスすることがあり、数百万円程度の資金を少人数私募債で調達しております。社債を購入してくださるのは、仕入先や販売先、従業員が圧倒的です。
例えば飲食店の場合、新規出店をすることは、お付き合いしている酒屋さんや食材屋さんにとっても良い話ですので、新規出店のための資金であれば、快く社債の購入を引き受けてもらえる場合があります。
また、社債は定期預金よりも大きな利息がつきますので、少額であれば協力したいと考える方もおられます。
◆ 社長の信用で集められる資金
金融機関からの借入は財務状況で判断されますが、少人数私募債の場合、財務状況よりも社長様の信用が重視されているように感じます。多少財務状況が悪くても、仕事ぶりを認めて応援してくださる取引先はありがたいものです。
お客様、仕入先、従業員から愛され、資金面でも協力してもらえるような会社づくりは商売の基本かもしれません。
少人数私募債は、中小企業が互いに協力しながら成長していくための仕組みです。
活用してみてはいかがでしょうか。
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